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樺沢紫苑先生の『読書脳』を読みました。これは、先生が以前書かれた『読んだら忘れない読書術』に加筆して新版としてお出しになった本です。じつはYouTubeチャンネルも登録していまして、時々樺沢チャンネルを見ていました。本を読んで意外だったのは、全体のとても押しの強い書きぶりです。ご本人のイメージは、カバトットのようなゆったりした雰囲気で、日本中を緩く歩きながら精神科医として心の疲れた人に向けて温かく語りかけている印象です。それなのに、この本の筆者としての樺沢さんは、とても自分の意見を強く推してくる迫力がありました。

おそらく、YouTubeを見る人の中には心を病んでいる人や、本を読んだことのない人、傷つきやすい人、幼い人、難しい話が苦手な人もいるでしょう。ですから、見えない相手を傷つけないように、優しく話しているのでしょう。

一方で、この本を手に取った人は、ビジネスパーソンか、帯に「一生使える頭が良くなる読み方」とあるので、本を読むことに自信がある人でしょう。特に精神的に弱っている人が手に取るような表紙ではありません。ですから、全文押しが強い書きぶりなのです。同じ人が書いているとは思えませんでした。逆に、こんなに強い人なんだと改めて先生のお人柄を誤解していた気がしました。

単なる知識ではなく「結晶化された知識」。応用可能で行動につながり、10年たっても風化しない知識を得られるのが本だと述べられています。先生は、世の中で大切なものが「お金」「時間」「情報・知識」「人(つながり)」「健康」の5つだとおっしゃっています。その中で、時間だけは誰にも平等だが、本を読めば時間を節約できると。確かに、他人の経験は「本」としてお金で買えます。新しいことを始める場合、ゼロから試行錯誤する必要はない。何百時間も試行錯誤をしてくれている先人がいて本にまとめてくれているのだから、学べばよい、と。

確かに、私もブログを始めるときには本を読みました。また、今までも何かを始めるときには、その関連の本を何冊も読みました。本屋でふらっとしていた時に、手に取った本によって人生が変わったり、自分が変わったと思える経験は何度もしてきましたので、この本も大変楽しく読ませていただきました。最近は本を読む機会が減っていたので、樺沢先生の莫大なエネルギーでの読書の話を聞くと、私も今までのように単なるインスピレーションだけで読みたい本を選んでいたり、漫然と何時間も本屋にいたりすることが、いかに人生の無駄であるかを突き付けられました。

また、どんな本を選ぶかにも、自分がその分野において初心者か中級者か、上級者かで本も違うとおっしゃっていました。アマゾンの書評などで「つまらなかった。わかっていることばかり。」と書かれていたら、その分野の初心者にはとても役立つことがわかりやすく書かれているかもしれない。「難しかった。難解。」とあれば、その分野のエキスパートにはとても深くて専門的なことが書かれているかもしれない。本を選ぶ場合は、ベストセラーになっているかどうかではなく、その本を読みたいかどうか、自分自身に問うべきだと。

巻末には、樺沢先生のおすすめの本が載っていました。精神科医のおすすめですので、脳や身体の健康に関する本がずらりと紹介されており、どれも読んでみたくなりました。最近目が悪くなって、あんなに本の虫だったのに携帯ばかり触っていました。先生は「携帯から得られる情報は、デパ地下の試食である。体の栄養になるのは本である。」とおっしゃっています。やはり、人生に本腰を入れて本と向き合いたい、本を買いたいと思えるようになりました。本への愛があるからなかなか捨てられない。でもたまるばかりの蔵書という悩みにも答えてくださり、「今悩んだ時間のほうがもったいない」とおっしゃっていました。

ゆるりらサロンを開業するまでに、まだまだやりたいことがたくさんありますので、その関連書も購入したいです。とにかく、何かを始めるときには1冊以上の関連書を読むこと。今までの生き方もそうでしたし、今後ももっと精度を上げて読書と向き合いたいと思える本でした。

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