こんにちは、「ゆるりら」です。このブログは広告等を掲載しておりません。
今回ご紹介する本は、脳神経外科医の菅原道仁先生が書かれた『そのお金のムダづかいやめられます』です。無駄遣いをやめるための本として、多くの方がファイナンシャルプランナーが書いた本を想像するかもしれませんが、本書の著者は脳の専門家。これは「お金の本」でありながら、その焦点は脳の内側にあります。この点が、他の節約本や投資本とは一線を画している理由です。
菅原先生によれば、私たちが無駄遣いをしてしまう理由は、脳が引き起こす錯覚にあります。売る側は脳のクセを巧みに利用して、私たちに「買わせよう」「お金を使わせよう」としていますが、買う側の私たちは、そのクセの存在すら知らずにいるのです。脳のクセを知ることは、自分のお金を守るための「武器」を手に入れることと同じなのです。
以下に、本書の重要なポイントをいくつかご紹介します。
1. 買っても買っても、「新しいもの」が欲しくなるのはなぜ?(ムダづかいがやめられない理由)
- 無駄遣いの原因は、脳が引き起こす錯覚にある。
- 私たちは買い物をしているのではなく、脳に「買わされている」。(脳は本質的に周囲に流されやすい。)
- 多くの後悔は、脳の反射的な判断により無意識に「買う」方向に誘導されることから生じる。
- 目新しいものが登場すると、広告や宣伝の影響で物欲が膨らみ、「欲しい」と思ってしまう。
- 20代や30代の多くは「車も家もいらない」と言いつつも、小さな物欲が積み重なり、大きな出費になっている。
2. 「これが絶対に欲しい」と脳は自分に暗示をかける
- 買い物でストレス発散の正体は、ドーパミンがもたらすまやかし。
- 皆と一緒だと安心感が増し、出費が増える。
- 私たちの心理は常に観察され、研究されている。
- 食と睡眠をコントロールすることが、買いすぎ予防の重要なポイント。
3. 割高でもお得に見せるテクニック
- 演出された「お得感」を見抜く方法。
- 「得」と「損」の脳の感じ方は別物。
- 安く見える表示に注意。
- それまでの投資を惜しんでやめられなくなる「コンコルド効果」。
- そのほか、興味深い示唆がありますので、詳しくは本書を手に取ってお読みください。
この本は非常に興味深く、次々と読み進めてしまいました。日々お金の無駄遣いについては厳しくチェックしているつもりですが、ふと気づいたのは、子供たちへの出費や親戚・友人の集まり、そして自分の研修(自己啓発)に関しては、つい財布のひもが緩んでしまうことです。子供たちは可愛い存在ですし、家の行事となると見栄を張ってしまうこともあります。また、車好きであるため、車関係の出費もつい多くなりがちです。勉強と思って出すお金にも注意が必要で、浪費に繋がらないように気をつけたいと思います。
その上で、菅原先生は「デザインにも人生にも『余白』が必要」とおっしゃっています。「削るべきムダ」と「残すべき余白」を見分ける目を養うことが大切で、「余白」まで削ってしまうと、人生は味気ないものになってしまいます。「あなたが抱えているムダづかいという問題は、脳が自動的に行うラクな判断に身をゆだねていることで起こっている」とのことです。
最近読んだ『スマホ脳』『ドーパミン中毒』『SLEEP 最高の睡眠』と内容がつながっていると感じました。この本を読んで、スマホからの広告によって知らず知らずのうちに買い物をさせられている現実に気づかされました。買い物自体がドーパミン中毒と深く結びついていること、そしてそれが睡眠の質と密接に関係していることに驚きました。十分な睡眠をとっていないと、無意識のうちに不要な買い物に走ってしまう危険があるのです。経済の大きな波に飲み込まれないよう、しっかりと考えを持たないと、お金を失う結果にもなりかねないと強く感じました。