フィレンツェには子供の頃から憧れていた絵本の世界の風景がありました。街を守るために、市街地へのバスなど認可車両以外の出入りが規制されており、「古い街並みを守る」ために、行政が本気を出していることが感じられました。街が石畳の道ですから、自動車が通ると破損するのでしょう。バスなら尚更です。このような取り組みで出てくる問題点は全世界共通です。その地に直接居住している人にとっては不便もあると思います。個人に負担のかからない保全についても、日本も学んでいければよいですね。
メジャーな観光地なので、私の拙い描写は割愛させていただきます。個人的体感では、ローマよりもフィレンツェの方が、日本人への対応に優しさを感じました。店員さんの笑顔や接客、また観光名所での思いやりや融通を効かせてくれるところなど、私が接したごく限られた方々についてだけですが、雰囲気に愛を感じました。例えば、ある観光名所で私が気分が悪くなり、グループから外れて少し待機することになりました。(原因はお昼の食べ過ぎ?熱中症?)ガイドさんにここに待っていてと連れて行かれた博物館の入り口には、お手洗いがゲートの中にありました。係員さんに話をしてゲートの中に入れてもらいましたが、チケットのQRコードがないとさらに内部には入れません。「私のチケットは、グループのガイドが持っていて入れない」と伝えると、すぐに内部に入れてくれました。昨日のローマの厳しい態度を予想して恐る恐る聞いたのですが、フィレンツェの人は優しかった!
内部は美しい博物館でしたが、融通して入れてもらったのですぐゲートに戻り出ようとすると、係員さんは「中を見て出口から出ればいい」と身振りで言ってくれました。グループを待つ間、私はゆったりと館内を見学できました。こちらを信用してもらって入場でき、嬉しい出来事でした。
また、ツアーの待ち合わせ場所になった「革製品のお店」が、素敵なお店でした。土産を買いましたが、今思うと自分の物も色々買えばよかったと感じています。皮のジャンパーを買った方が、その場で袖の丈を詰めてもらえた、袖のファスナーも付け替えてもらったと言っていました。店の裏に腕のいい皮職人さんがいるのでしょう。すごい技術です。今後フィレンツェに行く機会があれば、ぜひもう一度訪れたいお店です。
イタリアはイタリアとして統一してからまだ150年ほどしか経っていないので、その街ごとに独自の個性があるとガイドさんが言っていました。その個性の一端を垣間見ることができた旅でした。

