こんにちは「ゆるりら」です。
先日、かつての仕事でお世話になった方の葬儀に参列しました。その方のご子息も同じ職業で、とても優秀な方であり、私も大変お世話になりました。
亡くなられた方は、私にとって仕事上の「大いなる父性」とも言える存在でした。専門職のため同じ職場に配置されることはなかったのですが、同職の仲間で研究会を持ち、そうした場で深く関わらせていただきました。哲学を持ち、愛情を持って仕事に向き合う方で、私はずっと尊敬していました。
ご子息も大変気落ちされていて、あの優しいお父様を亡くされたご家族の心痛を思いました。私自身も実父を亡くした時、「涙が目の幅で流れる」という経験をし、半年間は黒い服しか着られませんでした。今でも父を思うと涙があふれます。
「父を亡くした」というだけではなく、「大いなる父性」を失った喪失感がありました。
自分自身、年を重ねるなかで義父を亡くし、実父を亡くし、そして仕事の上で父のように尊敬していた方を亡くし…よりどころとしていた父性を、順番とはいえ一人、また一人と見送っていく寂しさを感じました。
この「大いなる父性」と呼べる、おおらかで優しく、仕事への信念と人類愛に裏打ちされた仕事哲学を持つ人は、そう多くはありません。そのうえ純真で子どもっぽい面もあり、周りに男友達が集まってくるような魅力のある方でした。聖人君子ではなくても、ひとたび仕事に向き合う時には、0.1ミリの嘘もない真剣さで取り組む人でした。
今は時代が変わり、職場に忠誠を誓うような働き方は良しとされません。勤め人には難しいかもしれませんが、自営業の方なら「遊ぶように働き、働きながら工夫して楽しむ」こともできるでしょう。また、仕事に夢中になるのは男性だけの特権ではなく、男女問わず、自分の働き方に心から向き合っている人は素晴らしいと思います。我が子たちも、祖父の血を受け継いだのか、仕事には真剣に、そして楽しげにアイデアを生み出しているように見えます。私もそうでした。
空の上から見守ってくれている人が、また一人増えました。
本当にありがとうございました。

