こんにちは「ゆるりら」です。
ワールドシリーズ第7戦、最終戦は日本時間の日曜日午前9時から始まりました。大谷選手の先発で、平日は働いている多くの日本のファンが、しっかり見ることができました。
初回、相手の投手はシャーザーという41歳のベテランでした。そしてドジャースは、二刀流で先発の大谷選手が初打者です。4球目を打ってセンターヒット!これはいい感じです。しかし、2番から4番まで次の打球が出ず、大谷選手は塁から戻って慌てて準備してマウンドに向かいました。
マウンドに上がった大谷投手。しかしストライクが入りません。明らかなボール球が3球ほど続きます。5球目を打たれてランナー1塁。二人目が空振り三振で、3人目はゲレーロ・ジュニア。彼がカウント2-3から見逃しアウトで2アウトになったのですが、その時、一塁ランナーが盗塁失敗アウトで3アウトとなりました。走らなくても良かったのに、何らかのサインミスか。大谷投手の立ち上がりもそれほど良くないけれど、相手も浮足立っている感じです。
2回表ドジャースは、5番から7番が三振やライトフライで簡単に終わり、2回裏。先頭打者に四球、二人目はライトへヒットでランナー1、2塁。続く二人は右方向へのフライで打ち取りましたが、次の打者が2アウト1、2塁でヒットになり満塁です。しかし次の打者を三振に打ち取り、危機を脱しました。2回はこのように、こちらは打つ手なしなのに相手からは随分押し込まれました。3回もこちらは大谷選手まで回りましたが3人で簡単に終わりました。3回裏は、大谷も最速163キロの剛速球も投げましたが、相手はヒットやゲレーロ・ジュニアを申告敬遠などしてランナー1、3塁。そこで4番打者にスリーランホームランを浴びて、大谷投手はマウンドを降りました。変わったロブレスキ投手はヒットも打たれましたが、納めて3点でチェンジになりました。交代の時の大谷選手には、表情に疲れを感じました。打者として毎日試合に出ているので、連投並みの疲れだと思います。
4回表は2番から始まり、ヒットが続いて満塁まで行きました。T.ヘルナンデスが犠牲フライで1点を返しました。ゲレーロ・ジュニアが俊敏にファーストライナーを横っ飛びで捕球する好守備がありました。
そのあと、筋書きにないことがまた起こりました。4回裏1アウト後、9番ヒメネス選手がデッドボールを受け、怒り出しました。ブルージェイズベンチからも監督が飛び出してきました。なんと、紳士的に行われていると思っていた試合が、外国人大男が怒号を挙げてなだれ込むカオスに変化したのです。ドジャースのブルペンからもみんなが飛び出します。佐々木投手までも後ろからついて出てきました。顔は怒りではなく様子見で、青いジャンバーのジッパーを引き上げながら、服一枚でも防御しようとしたのでしょうか。「自分が喧嘩では役に立たないよ、僕まで行っても無駄だと思うけどみんなが行けって言うから」という顔です。栄光の試合が罵声と暴力で台無しになってしまうのか!という波乱がありました。審判団から警告されたのか、騒ぎは収まりました。異様な雰囲気です。グラスノー投手はその後落ち着いて、ゲレーロ・ジュニアをセンターライナーに取り、追加点は取られませんでした。
5回表、ロハスが大谷の前でヒットを打ち、投手が熟練シャーザーから代わりましたが、大谷もライトへヒットを打ったので走者1、3塁となりました。しかし次が続かず攻撃は終わりました。5回裏はヒットは打たれましたが、進塁は1塁までで相手の攻撃は終わりました。
6回の表、相手は投手交代となり、ベッツが四球を選んでマンシーがヒット。T.ヘルナンデスがピッチャーゴロですがランナーが3塁まで進みましたので、1塁3塁。エドマンがセンターへの犠牲フライで1点返しました。しかし裏に1点返されました。
7回は表裏、シーンとしていましたが、8回表にマンシーがホームランを打ち1点差に詰め寄りました。8回裏にはスネル投手に代わり、0点に抑えました。
9回表にはなんとロハス選手がホームランを打って、同点に追いつきました。その時、一人喜びを表していない選手がいました。山本投手です。「自分が投げることになる」そう感じたのでしょう。
9回裏、ブルージェイズは畳みかけてきて、ランナー1、2塁になり、山本投手が呼ばれてスネル投手が降板し交代となりました。ここで山本が救ってくれると思っていたら、山本投手の最初がデッドボールだったのです。ひやりとしたなんてもんじゃありません。このデッドボールは、昨日もデッドボールだったカーク捕手で、満塁になってしまいました。しかし、セカンドゴロ、センターフライでこの回を乗り切りました。この回は監督の采配が光りました。監督に神様が降りてきたのです。ピカッと。守備の交代です。代わって入ったパヘス選手がセンターへの大飛球を、レフトと接触しながらフェンスに激突しジャンピングキャッチ。変わったばかりの選手がミラクルキャッチをしてチームを救いました。
ここで延長になります。この物語のシナリオはどうなっている?選手たちを信じて応援するしかありません。
10回表は、ランナーがたまって満塁になりましたが、最後ファーストゴロで点が入りません。こんながっかりの10回裏なのに、山本投手が3者凡退で11回に繋げました。この精神力がすごいと思いました。
そのあと11回表、スミス捕手がホームランを打ちました!スミス捕手こそ、この7戦、全投球を受けてきて、野手の中では一番ボールを受けている人です。この彼が最後の最後に打ってくれました。
11回裏は、ゲレーロJr.が渾身のツーベースヒット。2塁で自分のチームを鼓舞する雄たけびは、以前大谷選手が日本代表として出ていた試合の姿を思い出しました。彼も野球に対して純粋な人なのです。バントとフォアボールでランナー1、3塁。ここで、先ほどデッドボールだったカーク捕手。3球目はバットが折れてショートゴロとなり、ベッツ選手の超洗練された捕球と1塁送球でダブルプレーとなりました。
この試合は、終わりました。すぐに、スミス捕手が山本を後ろからバックハグをしていました。山本投手、大谷投手、佐々木投手。この日本人3人の青年の「胆力」が、チーム力・打撃のつながりでは上回っていたと思われるブルージェイズを、ぎりぎりで退けたのだと思います。
さて、そのすぐ後にNHKが山本投手にインタビューを行いました。彼は「気が付いたらマウンドに立っていました。無心で、野球少年になりきって投げていました」と語りました。そのあと、シャンパンファイトがあり、みんなが盛り上がっていました。そして山本投手にNHKがインタビューをしました。「NHKですが」と言うと、「NHK?さっき話しましたよね?」と驚いていました。質問も同じ内容で、答えも同じ内容でした。ただ、再度の答えには「野球少年になりきって」という一言が抜けていました。
私が記者だったら「野球少年になりきって」という言葉に、とっても感動、胸キュンだったのですが、その後の報道ではこの言葉があまりフューチャーされていなかったので、私の記事で書かせてもらいます。
自分がぎりぎりの決断や、大一番の勝負を背負う時、心のどこかで今の自分ではなく「子供の頃の自分」になりきって、無心にひたむきに向かうこと、その尊さを感じました。ありがとう、ドジャースの皆さん、ブルージェイズの皆さん!

