こんにちは「ゆるりら」です。
大相撲の今日いちばんの驚きを、まず書きます。今日の結びの一番は横綱大の里関と隆の勝関の勝負で、なんと大の里関が隆の勝関の喉輪をまともに受け、これが本当に強烈で、大の里関の左足が浮いたようになり、足が滑って前に倒れてしまいました。我が家は絶叫に包まれました。
隆の勝関、侮れない強さです。強い喉輪で横綱の足が浮いたようになり、力が入らなかったかのように見えました。この一途な渾身の一手を繰り出す瞬間こそ、男の勝負、自分を信じ切る強さだと感じました。
そして大の里関ですが、取組前の表情に少し「おじさん」が宿っていました。明るさや透明感がなく、緊張なのか負けられない意地なのか、どこかおじさんぽく見えたのです。ヒゲも濃くなっていました。
彼はどこか飄々とした透明感と爽快な雰囲気がある力士なのに、今日はおかしいな、と感じたのです。まあ、男は日ごとに年を取るもので、爽やか青年の時代は短いもの。女性と違って化粧でごまかせない分「おじさん化」も早いので、大の里関とはいえ表情に出ることもあるのかなと。その時は、まさか連敗するとは思っていませんでした。
そして、昨日横綱を倒した義ノ富士関が、今日は安青錦関を力強く素早い回転の突き出しで破りました。安青錦関がどんなに上体を起こそうとしても起きず、そのまま土俵の外へ。
今日のテレビ解説は「元貴景勝の湊川親方」。攻略法を聞かれて「自分なら肩口に突きを入れるかです」と話していましたが、まさにその通りの勝負になりました。義ノ富士関は肩を攻め、そのまま突き出してしまいました。
湊川親方の解説は、力士一人ひとりへの愛があり、例えも具体的でわかりやすく、今回のように「解説ズバリ」になることもあり、つい聞き入ってしまいます。(料理をしながらなので、実際にずっと聞いてはいないのですが。)いつも素敵な解説をありがとうございます。
上体が低いと言えば宇良関。今日は相撲巧者・高安関との一番でしたが、宇良関は高安関の腕の“さらに下”に潜っていき、高安関の腕が突けずに滑っていました。
夫君に「今までの力士で一番強い人って、誰だと思う?」と聞くと、「それは貴乃花関でしょう」と答えました。
私は貴乃花関の現役時代をまったく知らず、その頃は仕事で6時過ぎまで職場、帰宅して家事育児で精一杯でした。
最近、昔の力士が開いているYouTubeチャンネルで、その方が「貴乃花が一番強かった。心技体どれも揃っていたが、特に“心”が素晴らしかった」と話していました。
大柄な相手に向かうとき、まともに向かわずにもっと違うやり方があるのでは、と言ったら「それじゃあダメなんです、○○さん。」と答えたそうです。その姿勢に感銘を受け、「つまらないことを言った自分を恥じた」と語られていました。
そこで昔の映像を探して見てみると、本当に強く、そして技が多いのです。スポーツ音痴の私が語れることではないのですが、それでも「これが相撲か、これが横綱か」と思わされる姿でした。
その根底には、同じ力士をも感銘させるほどの“相撲への真摯な心”があったのでしょう。相当なけいこを積まなければ、あの相撲は取れません。
マスコミや新聞の裏側も見えてきた昨今だからこそ、あの頃書き立てられた騒ぎの本当のところはどうだったのか……貴乃花関は、澄んだ心を持ちすぎていたのかもしれない、と感じました。

