こんにちは、「ゆるりら」です。
NHKのドラマ『光る君へ』を視聴しています。脚本家の先生が描く藤原道長の姿は、現代にも通じるわかりやすい脚色が施されていて、興味深いですね。
『源氏物語』の冒頭には、こうあります。「いづれの御時にか、女御、更衣あまたさぶらひたまひけるなかに、いとやむごとなき際にはあらぬが、すぐれて時めきたまふありけり。」我が子が、「この表現、現代にも通じる人間の心の動きをよく表しているよね」と言っていました。
王子様の周りにはたくさんの女性がいて、みんなが彼の妻になりたがっています。その中で、特に高貴な身分ではない女性が、王子様のお気に入りとなっている。その結果、高貴な身分の女性たちは「私の方がふさわしいのに、悔しい!」と嫉妬します。中くらいの身分の人も、「なんで私じゃないの?」と悔しがるし、低い身分の人だって、「私だって少し上なら!」と不満を感じるのです。つまり、身分に関係なく、誰もが嫉妬心を抱いてしまうんですね。
さて、大谷翔平選手の結婚のニュースが流れたとき、最初は相手の女性について伏せられていました。その時、私も少なからず心がざわつきました。きっと多くの女性が同じ気持ちになったことでしょう。自分が選ばれるわけないと分かっていても、どこか心の中でショックを感じてしまう…。まさに、現代の「王子様」ですね。実際に私の息子ではないのに、「女子アナはやめて!女子アナはやめて!」と祈っていたのは私だけではないはずです(笑)。全国の女子アナの皆様、ごめんなさい!
そのざわつきは、大谷選手自身の力で見事にぴたりと止まりました。現代のやんごとなき方は、おそろいの黒いジャージで飛行機のタラップから降りてきました。彼が選んだ「やんごとなき」女性は、まれにみる高身長で、全日本レベルのアスリート、どことなく大谷選手本人にも似たかわいらしく美しい笑顔、全てを兼ね備えた彼女は、まさに大谷選手にふさわしいお相手。その姿に、子供からおばあさんまで、日本中のざわつきがぴたりと止まりました!ざわつきが止まるどころか、みんなが幸せな気持ちになりました!
これはまさに、平安時代から変わらぬ人々の嫉妬心が現代にも生き続けている証拠かもしれません。ぐうの音も出ないほど素晴らしい女性が選ばれたことで、嫉妬する余地すらなくなりました。大谷選手の『お妃選び』は、彼から頼まれたわけでもないのに全国民が密かに気にしていたことですが、本当に素敵な形で大団円を迎えました。
こうしてみると、『源氏物語』には現代にも通じる「わかる!」という人の心の機微が描かれています。子供の頃は、ドロドロした人間関係や意地悪さが苦手で、それほど興味が湧かなかったけれど、そろそろ真剣に読んでみようかな、と思うようになりました。まずは『あさきゆめみし』から始めようかしら。