こんにちは、「ゆるりら」です。このブログは広告等を掲載しておりません。

先日、ある山奥の温泉旅館に友達と行ってきました。そのお宿は古民家を移築して営業を始めたそうで、温泉は源泉かけ流し、館内には「日本秘湯を守る会」の大きな提灯が掲げてありました。

古民家を移築と言うと古臭いイメージですが、中は意外にもモダンなしつらえとなっていました。大きな洋風のストーブの周りにはピアノが置いてあり、囲炉裏が切ってある会食場も、ただ単に古い感じではなく、どこか洗練された雰囲気が漂っていました。客室はベッドになっており、ソファなども高級家具が配置されていました。最初にスイカとお茶が出てきて、夏休みに親戚の家に泊まりに行ったようなタイムスリップ感がありました。

会食は山里料理ですが、材料はおいしいお肉や鮎などもあり、(山菜だけ?)といった寂しい感じではなく、お腹いっぱいになりました。心のこもった料理とおいしいお酒、楽しい会話で、あっという間に時間が過ぎていきました。

友との会話やおいしい料理やお酒ばかりではなく、温泉もとても楽しみでした。日本秘湯を守る会に認められた温泉だけあって、柔らかくあたたかいお風呂に大満足でした。

夜には、友とあれこれと話が弾みました。今の少子化対策を、私たちが若い頃にしてくれていたら、この少子化は抑えられたのではないか、我々の若い時には産後8週間で仕事に出なければならず、その後育児休業を取れるようになってからも、厚生年金は自分で納めなければならなかった。若い時にはお茶くみは女性が行うことが当たり前、宴会も2次会までは仕事と言われて、部長や課長などがいらっしゃる時には、カラオケなども最初に入れるのではなく場が少し温まってから十八番を入れておき、マイクを回してお願いするようになど、先輩の女性から事細かく言われてその通り行ったこと、今のセクハラ的なことはしょっちゅうだったが笑って済ませなければならなかったことなど。

また、古い民家なので、子供のころの記憶がよみがえり、いとこなどが集まっている親戚の家に泊まりたいと言って、親に帰ってもらって泊ったことは良かったけれど、夜になって天井の板の木目が人の顔に見えて、寂しくなって大泣きして親に迎えに来てもらったことなど、この年になって忘れかけていた幼少期の思い出がいっぱい溢れてきました。

私も、亡くなった父の思い出などをとりとめもなく話し、それを友達が優しく聴いてくれたことで、とても癒されました。いつまでもいつまでも話し続けていたかったぐらいだったのですが、大事件が起きました。ソファに座ってさあベッドに行こうと立ち上がったところ、何か小さな黒いものが部屋を横切って、ベッドの下に入りました。恐怖でベッドの上に立ち上がりました。蛾かな、とも思いましたが、絶対に苦手なネズミでした。私はどうしても、何が何でもネズミはダメなのです。

友達に「フロントに行ってくる!」と言って、薄暗い中部屋を出ました。フロントに行きましたが、ここはホテルとは違って、夜中に人がいないようなのです。そういえば、部屋に内線電話がありませんでしたし、おかみさんたちは別棟にいるのかもしれません。同じ部屋にネズミがいるのならば、私は車の中で寝ようと思いました。

フロントに人がいなかったので、すごすごと部屋に戻ると、友人が勇敢にもネズミを捕らえて紙に包んでいました。小さな野鼠のようでした。彼女の勇気と素早さに感謝して、捕獲したネズミは野に放ち、我々は安眠を得ました。(実は、二人とも飲み過ぎて夜中に交代で気分が悪くなり、起きだしていたのですが。)

こんな、野趣あふれる山里の秘湯に泊まり、来た道を友と振り返り、語り合うことで癒され、共に楽しい時間を過ごせたこと、本当にありがたく感じています。翌日は友がフロントのピアノを弾いてくれて、いつまでも去りがたく、幸せな時間を過ごしました。

「ゆるりら」サロンの計画にも、この旅からたくさん学ぶことができました。優しさ、心配り、どんなことが旅人の心を揺さぶるのか、たくさんのおいしく楽しい学びがありました。友達に感謝しています。

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