こんにちは「ゆるりら」です。
今日は、朝早く起きてデッキに出ました。ヨガ教室があるかと期待していたのですが、ヨガの人影は見当たらず、太極拳の練習をしている方の後ろで、一緒に真似をしていました。12階にある給水機で水を汲むのも、大切な日課です。今日は、大きなマグカップを2つ持ってきて正解でした。デッキから見える青い海を眺めながら、ゆっくりと水を飲む時間は至福です。
朝食は和食膳をいただきました。隣の方と少しお話をする機会があり、向かいのご夫婦とも目が合いました。ご主人は少し不機嫌そうに見えましたが、奥様は笑顔が素敵で、席を立つ際も明るい様子でした。周りの方々が「あの方、82歳で息子さんと来ているんですって。」と話していたのを聞いて、驚きました。ご夫婦ではなく息子さんだなんて、なんて優しいのでしょう。きっと、お母様のことを本当に大切に思っているのでしょう。別の年配のご婦人は、「私はもう何回も来ています。施設に入るより、ここにいたほうが楽しいし健康的だから。」とおっしゃっていました。施設より良いとは言っても、107日も四六時中母親と一緒の道を選ぶ息子様は、本当に素晴らしいと思います。
午後は、ペアサルサに参加しました。講師は、クルーズディレクターの田村美和子さんです。田村さんは、YouTubeで何度もお顔を拝見していて、有名人感覚の人です。直接教えていただけて、とても嬉しいです。フロアは参加者でいっぱいでした。田村さんはスタイルも素敵で、教え方も面白く、やはり「教えには笑い」が必要だと感じました。集中できるように面白さや笑いを取り入れ、洗練されている、プロだなあ、と感じました。ダンスでは、隣にいた女性が、ボーっと立っている私に声をかけてくださり、楽しく踊ることができました。私って、いつもビクビクしてのんびり、ボーっとしているのかな?
仕事では、こんな自分ではなかったはずです。昨日、仕事のライングループから「退職した方は退出してください」という案内がありました。たまたま寄港地でWi-Fiをつないでいたので、すぐに気づきました。このグループは、皆自分よりも若い人達で、所属を超えた仲間であり、何でも質問できる宝の場所でもありました。それなのに、思いがけない仕事関係のラインに、急に胸が苦しくなり、ドキドキしてきたのです。緊張、不安のドキドキで、息苦しくさえなりました。
3月まで働いて、その後急な病気で寝込んだ後の出航だったので、過去の自分について、なんの振り返りもないままでした。この話を娘にすると、「緊張していたんだね、もう怖いドキドキはしなくていいんだよ」と優しいラインが来て、泣いてしまいました。今は人手不足らしく、退職を慰留されましたが、「もう、ええでしょう。」(去年の流行語!)仕事を懐かしく思うどころか、息苦しいとは。ビクビクしてのんびり、ぼんやりの私が素の自分なのでしょうか。
このクルーズ旅行を通して、私は自分の心の変化に気づきました。仕事に縛られていた過去の自分と、今の穏やかな自分。どちらも私です。そして、この穏やかな日々の中で、私は新しい自分を見つけるのかもしれません。
「ゆるりらさん、42年間、お疲れさまでした。」


