こんにちは、「ゆるりら」です。
今、政府の税制調査会などで話題となっている「103万円の壁」についてお話しします。この問題は、主に働く人自身の壁というより、その方を扶養している保護者(主に親や、専業主婦の場合は夫)にとっての壁と言えるのではないでしょうか。大学生を扶養控除の対象にできると、親の税負担が軽くなるため、多くの家庭にとって大きな意味を持ちます。
私は長年、職員の給与に関する仕事に携わってきました。その中で、控除の金額がかつては少しずつ変わっていた記憶があります。しかし、103万円の基準は30年以上も動いていないと言われ、改めてその事実に驚きました。その間、都会のアルバイト賃金は上昇し、大学生のバイト収入が増えたことで、親が知らないうちに扶養控除や社会保険の対象外になってしまったケースをよく耳にしました。「お子さんのバイト収入には気を付けてください」とアドバイスしていましたが、本来ならこの基準額を見直すよう、政治に期待すべきだったのかもしれません。しかし、「財務省が動かないから変わらない」と、私自身が思い込んでいたのも事実です。
お子さんのバイト収入に注意を
話は少し変わりますが、お子さんが大学生の方は、今年のアルバイト収入をぜひ確認してください。今年も103万円の壁はそのままですので、収入がこの額を超えないよう注意が必要です。
私の子どもは以前、大手教育系企業のオンライン学習相談のアルバイトをしていました。このバイトでは報酬が個人事業主扱いで支払われ、1割の源泉徴収がされていました。本人の収入全体が103万円以内という少額なのに、1割の税金が差し引かれるのは重く感じます。そのため、翌年の確定申告を行い、払いすぎた税金を取り戻しました。申告では「営業所得」ではなく「雑所得」として計算され、納めた税金の一部が返還されました。雑所得は控除もなく税率は5%なので、納めた税金の半額が戻ってきた形です。全額ではありませんでしたが、大きな額の税金が戻ってきたことに子供は喜んでいました。
こういったケースの学生さんは多いと思います。確定申告を面倒に感じず、お子さんを促し一緒に行うことで、納めすぎた税金を正当に返してもらえます。この経験を通じて、私は子どもに税金や制度について教えることができたと感じています。
伝えたいこと
政府の税制を個人の力で変えることは難しいですが、現状の中で工夫しながら生きることはできます。自分の価値観に基づいて取捨選択をし、必要なことにお金を使いながら、楽しく健康的な人生を送ることが大切だと思います。その中で、税金や税制について関心を持ち、ひいては社会に関心を持つことは大切なことだし、伝えてきたつもりです。
子供には子供の人生と、子供たちが自分で得た収入があり、自由に使えばよいのです。これからは、私が子供たちに社会のこと、税金の事、ICTの事など、習うばかりになっていきます。立派に成長して社会の中心で働いている子供たちを誇りに思う毎日です。