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「スタンフォードのストレスを力に変える教科書」を読みました。この本は樺沢紫苑先生の「読書脳」に紹介されていたものです。

あなたは、ストレスは体に悪いと考えていますか?ストレスをなるべく避けたいと考えていますか?今回、この本を読んで、ストレスに対する自分の考え方が変わりました。確かに納得する例がたくさん紹介されており、とても読みやすく、わかりやすい本でした。

主なポイント

  • 人はストレスだけでは死なない。
    ストレスを受け、それが健康に悪いと考えていると、死亡のリスクは高まる。
  • ストレスとは、自分にとって大切なものが脅かされたときに生じるものである。
    どうでもいいことには、ストレスは感じない。
  • 有意義な人生を送りたいと思ったら、ある程度のストレスはつきものである。
  • ストレスを受け入れると、自分自身を以前とは違う目で見られるようになる。
    無理だと思い込んでいたことでも、できるかもしれないと思えるようになる。
  • ストレスは害になる、が一般的な考え方。
  • ストレスによって生じるエネルギー:火事場のバカ力。
    例えば、10代の女の子二人が1.3トンもあるトラクターを持ち上げて父親を助けた話があります。
    また、アーティスト、アスリート、外科医、ゲーマー、ミュージシャンなど、ストレスを力に変えて素晴らしい仕事ができる人々の例も挙げられています。
  • 思いやり、絆反応:よりよい自分になろうとし、仲間を守ろうとする。
  • 脳と体は、あなたが人生で最も重要な問題に対応できるように、常に変化し続けている。
    トラウマ体験による変化も、新しい経験や人間関係によって好転する可能性がある。つまり、ストレスに対する体の反応は、自分の望むように変えることができる。
  • ストレスにどう向き合うかは自分で選ぶことができる。
    しかし、自分の経験上、そんなに簡単にストレスを力に代えることはできない時もあると思います。愛する人の死、テロや戦争などの暴力、虐待、自らが死の淵を覗くような病、精神の落ち込みなど、こうした状況で「ストレスは力に代えられる」と簡単に言ってほしくない場合も多いと感じました。

例えば、「人前でスピーチする」「試験」などのドキドキする場面で、無理に落ち着こうとするより、ドキドキすることが普通で、そのドキドキがエネルギーに変わると考えると、素晴らしい結果が得られるという話は試してみたくなりました。

それでも、「読書脳」で樺沢先生がおっしゃっていたように、メモを取りながら講義を聴くつもりで真剣に読んでいたら、集中できました。

興味深かったエピソード

「幼いころに一日1時間母から離すストレス」を与えた子ザルが、幼児期に情緒不安定になるだろうという予想を覆し、過保護に育てられた子ザルたちに比べて物おじしない性格になったという話です。勇敢で探求心があり、問題を与えられてもすぐに解決できるようになり、青年期になると強い自制心を示し、脳の発達も良好で、仲間と協調し、知恵のあるサルに成長しました。フルタイムで働いてきて、泣いて私を探す子供たちを置いて仕事に行っていた申し訳なさを、少しは許してもらえた気がしました。

・ストレス反応=全身全力の闘争、逃走反応ではない。大昔のサバイバルの名残ではない。

子供たちを大急ぎで学校に行く支度をさせたり、気難しい同僚とやりとりしたり、誰かに批判されたことについて考えたり、友人の健康状態を心配したり、自分にとって大切なものが脅かされたときに、ストレス反応が起きる。

価値観が脅かされたとき、ストレスを感じて、それを守ろうとする。ストレスを感じた時、勇気が湧く。ストレスを感じた時、人とつながろうとする。ストレスを感じた時、失敗から学ぶことができる。

最も幸福な人たちは、大きなストレスを感じながらも、精神的に落ち込んでいない人たちだった。幸せな生活にはストレスが存在し、ストレスのない生活は必ずしも幸せとは言えないこと。

多くの人が「ストレスは害になる」と思っているにもかかわらず、ストレスが多い人の方が愛情や健康に恵まれ、人生に対する満足度が高い。生きがいのある人生にはストレスがつきもの。

この本によって、ストレスの大切な側面が見えた一方で、あまりにひどいストレスからは逃げたほうがいいのではと感じました。また、現在辛い状況にいる人にとっては、この本が余計に苦痛になることもあるかもしれないと感じました。

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