こんにちは「ゆるりら」です。
二日目の大の里関は、玉鷲関との一番でした。玉鷲関は40歳、まさにレジェンド的存在です。普段なら年齢への敬意を込めて応援するところですが、今日は大切な大の里関との対戦。大の里関の勝利を祈り声援を送りました。
立ち合い直後、玉鷲関の強烈な喉輪。それでも大の里関は慌てず、しなやかな腰でのけぞりながら受け流しました。長身ゆえに体を反らすと、玉鷲関の力が逃げ、足が揃ったところを突き落とし。首を狙う技は見ている側も怖さを感じますが、大の里関は落ち着いて、しなやかに勝利をつかみました。
さて、この日の取り組みで印象的だったのは、大関や横綱の相撲が放つ「空気感」です。大関・琴櫻関は、大の里関の直前に土俵に上がり、伯桜鵬関と対戦。相手の突進をしっかり受け止め、力を利用しながら「どうぞ」といった風情で突き落としました。その姿を、大の里関もすぐそばで見ていたのです。
そうです!この、琴櫻関が強いことが、大の里関にもきっといい影響を及ぼしているような気がするのです。実際、琴桜関は体格も大きいし、子供のころから鍛えている技が、すごくたくさんあります。まわしを取って投げる技もありますし、大きい体ですが非常にしなやかさもあり、土俵際での粘りもあります。私が感じるには、取り組み自体が伝統的な正攻法で、地道な練習も相当積んできているのでしょう。体格を武器にしている大の里関にとっては、大きな体で卓越した技もあり、しなやかさもある、越えがたい先輩であったと思うのです。その琴桜関が、本場所では格下の力士にあれよあれよと負けてしまう、それを横綱として自分の取り組みの前に目の前で見てしまう事が、大の里関にとっては何らかの悪いイメージになっていたのではないでしょうか。
昔なら、ライバルの敗北を自分の利益として受け止める力士もあったでしょう。しかし今の力士は「ミレニアム世代」。新しい価値観の中で育った心優しい青年たちです。豊昇龍関にも同じことが言えるかもしれません。三人の中で最も早く取り組むのは琴櫻関。その彼が気迫を前面に出し、格下をきっちり退ける姿を見せてくれると、大の里関も豊昇龍関も、なんだか気迫がみなぎっているように感じるのです。それも、本当の琴櫻関の強さを肌で知っているからこそです。
もちろん、これは私の勝手な見方にすぎません。それでも、三人が互いに良い影響を与え合い、気迫ある相撲を取り続けてくれることを願っています。大関・横綱としての強さを存分に発揮し、生き生きと土俵に立ち続けてほしいと思います。


