こんにちは「ゆるりら」です。
ピースボートの寄港地では、一日だけのツアーが用意されていて、私はよく参加していました。ところが、少し気がついたことがありました。
ある寄港地で、私ともよく話してくださる若いスタッフさんがバスのガイド役をしていました。優しく良い方なので嬉しかったのですが、その優しさがいろんな方向に気を使いすぎて、少し変なことになっていたのです。
というのも、現地ガイドさんや現地の運転手さんと契約しているからでしょう、ピースボートのスタッフが私たち乗客よりも現地ガイドさんや運転手さんにばかり気を使っていて、乗客への配慮が足りないと感じたのです。そのため、私たちは修学旅行の生徒のように、ピースボートのスタッフや現地ガイドさんの言うことに従わなければなりませんでした。
特にベルギーのツアーでは、街歩きをしても「ここでは買い物をしてはダメ」「時間までにしっかりついてきて」「お手洗いは緊急以外はここでは使わない」など、事細かに指示がありました。みんなは素敵なベルギーレースのお店も、可愛いお人形のお店も立ち寄ることができず、ベルギーワッフルも買えませんでした。そんな中で、うまく時間を縫ってベルギーワッフルを買い、運河のクルーズ船に乗り込んだ男性に、みんなの羨望のまなざしが集まったのです。その話を、私は笑い話のようにブログに書きました。
その後は、全員でベルギーチョコレートのお店に入れられましたが、団体で一斉に入ったのでレジは大混雑。さらに旅の途中、日本はとても暑いというニュースを聞いていたので、「どうやってチョコレートを溶かさずに家まで持ち帰れるだろう」と考え、買うかどうかを随分悩みました。
ピースボートの職員は、例えば自主企画を申し込むときなどは「先生と生徒」のような関係で対応しますし、避難訓練の時は私たちを守るリーダーのような存在です。しかし、いったん外に出てバスに乗るツアーでは、私たちは(○○円のバスツアー)に参加しているという意識になります。ですから、ボートの職員さんも「お客は乗客」であり、現地ガイドさんや運転手さんはチームとして乗客を楽しませる立場であってほしいのです。船を降りてもなお「生徒扱い」では、正直がっかりしてしまいます。
その点、船から離れて参加するオーバーランドツアーのピースボートガイドさんは、とても徹底して私たちをサポートしてくれました。大人として接して楽しませてくれましたし、現地ガイドさんも、エジプト・ギリシャ・ローマ・フランス、どの国の方もさすがプロという小粋なガイドでした。
建築を含めた学問、経済感覚、歴史、食、風習、気候、宗教などを深く面白く教えてくれるだけでなく、安全確保や時間管理も完璧で、お手洗いの間隔や混雑をうまくすり抜けて、効率よく観光できる工夫がありました。買い物の時間も十分にあり、全員が仲良く快適に過ごせるよう心配りをしてくれました。そして、お酒や夜の遊びなど大人の楽しみもふんだんに盛り込まれ、一味も二味も違う素晴らしい旅になりました。
それもこれも、さまざまな経験を積んできたからこその技なのでしょう。ボートの若い職員の皆さんも、きっと次回私たちが乗るときには、一回りも二回りも成長して、カッコいいガイドをしてくれることと思っています。


