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今回は、樺沢紫苑さんの「読書脳」でも勧められていた、スウェーデンの精神科医アンデシュ・ハンセンさんの著書「スマホ脳」を紹介します。樺沢さんは同じ著者の「ストレス脳」も推奨しています。

「スマホ脳」

人類は長い歴史を経て進化してきましたが、現代のIT社会は極めて新しい環境です。猿人が現れたのは約700万年前、ホモサピエンスは約20万年前に登場しましたが、現代のようなIT社会はわずか20年ほどしか存在していません。人類の多くの歴史は狩猟採集生活に費やされ、その中で脳は生き残るための工夫を進化させてきました。

脳は、危険をいち早く察知するために、周囲の多くの対象に注意を分散させるように進化してきました。この特徴が、現代のスマホ社会では逆に不具合を引き起こしています。スマホは、私たちの集中力を低下させ、注意を散漫にする原因となっています。

たとえば、何かを調べようとしてスマホを手に取ったのに、ついついSNSやメールをチェックしてしまい、気づけば多くの時間が経っていたという経験はありませんか?これは、脳内で「報酬が得られるかもしれない」という期待が生まれると放出されるドーパミンが関係しています。SNSやスマホがこの報酬系を刺激し、集中力を奪ってしまうのです。

さらに、スマホの使用は私たちの脳に様々な悪影響を及ぼします。研究によれば、スマホを持っているだけでも集中力と記憶力が低下することが示されています。スマホを教室の外に置いておいた学生の方が、テストの成績が良かったという実験結果もあるほどです。

また、脳は極力エネルギーを使わないように工夫しているという点も非常に興味深いです。脳は、カロリー消費を抑えながらも効率よく情報を処理しようとします。そのため、例えば、講演を聴いて手書きでメモを取る人と、パソコンで打ち込む人とでは、手書きの方が内容をよく覚えているという研究結果もあります。パソコンでメモを取る人は「そのデータがどこにあるか」という記憶は残るものの、内容自体の記憶は薄れてしまうのです。昔は何とか自分の脳で覚えようと工夫していましたが、今はスマホに頼って脳をなまけさせています。

スマホ脳の改善方法

スマホ脳を改善するためには、以下の方法が有効です。

  • 運動を増やし、質の良い睡眠を取ること
    筋トレは自信や集中力を高めるホルモンであるテストステロンの分泌を促し、昼間の運動が質の良い睡眠につながります。
  • スマホの利用時間に制限を設けること
    スマホの通知をオフにし、寝る前にSNSをチェックすることを控えることも重要です。私は以前読んだ「SLEEP」の本に書いてあったので、スマホの充電を別室で行い、アナログの目覚まし時計を使うようにしています。

スマホは便利なツールであり、旅行や買い物、家族との交流にも欠かせませんが、その便利さに溺れることなく、適切な距離を保ち、ゴミ情報を排除しながら、賢く付き合っていくことが必要です。我々の脳は狩猟採集時代に作られた脳であり、その時代には生き抜くために必要な機能でした。現代社会の過剰な情報と刺激に対しては、私たち自身が意識的に対応することが求められます。


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