こんにちは、「ゆるりら」です。

皆様、台風の影響はいかがでしたでしょうか。浸水などの被害に遭われた方や、交通の乱れでご苦労された方々に、心よりお見舞い申し上げます。

さて、「アンナチュラル」や「MIU404」が好きだった方にとって待望の映画「ラストマイル」を観てきました。脚本は野木亜紀子さん、監督は塚原あゆ子さん、そして主題歌は米須玄師さんという最強タッグで、あのドラマの世界が現実にあるかのような錯覚に陥りました。

綾野剛さんと星野源さんが登場した瞬間、思わず心の中で「キャー!」と叫んでしまいました。(まだ公開間もない映画ですので、ネタバレを含む内容もあります。未視聴の方は、ここでお読み止めくださいね。)

「ラストマイル」というタイトルは、物流において荷物が最終的にお客様に届く過程を指しています。私たちは日常的にネット通販を利用し、職場でも個人でも、何かしらの荷物を受け取ることが多くなりました。かつては店舗に足を運ばなければならなかった買い物が、今では世界中の品物が自宅や職場に届く時代です。そして、その荷物を届けてくださる方々は皆、親切で明るく、私たちの日常に欠かせない存在となっています。彼らこそが「ラストマイル」を支えているのです。

満島ひかりさんは「ファーストラブ」での演技が非常に魅力的で、今回は明るさの裏に何かを秘めた役柄を見事に演じていました。一部ではその演技が少し強すぎるとの声もありましたが、これは脚本に沿った表現だったのではないかと思います。岡田将生さんは主役をしっかりと支え、安定感のある演技を見せてくれました。

物語は、関東センターから出荷された荷物が爆発するという事件を軸に進行します。満島ひかりさんは流通センターのマネージャー役、岡田将生さんはその部下という設定です。日野正平さんと宇野祥平さんのWショウヘイが、日常の営みを丁寧に紡ぎ、スピード感ある脚本なのでただのドラマだよね、という感じになってしまうところを、すごくあたたかく市井の人を感じさせてくれました。

冒頭には眠そうなエレナが「時差が…」とつぶやくシーンがあり、これが後の展開のヒントとなっています。

日本の技術力や製品の品質は、実際に使ったことがある方ならご存知の通り素晴らしいものです。かつては日本製の電化製品が使いやすく、高評価を得ていました。また、日本の流通は非常に優れたシステムであり、一つの荷物を届けてくださることに感謝の念を抱かずにはいられません。私は、ドライバーの方に感謝の気持ちを伝え、ちょっとしたお菓子や飲み物を渡すようにしています。また、職場ではできるだけ注文をまとめたり、配慮を欠かさないよう心がけています。これからもネットショッピングを利用することが増えると思いますが、ドライバーの方々にこれまで以上に感謝の気持ちを持ち、安全を祈りたいと思います。

「まじめな日本人」が心を病んでしまうことも、映画のテーマの一つとして描かれています。私たちの親世代は、厳しい社会を生き抜いてきました。その影響で、自分たちも頑張りを求められる環境で育ちましたが、今の若者には同じことを期待するのは難しいですね。かつては当たり前だった言動も、今ではパワハラやセクハラと見なされます。ちなみに、「不適切にもほどがある」のドラマに出ていた阿部サダヲさんも出演し、物語にメリハリとユーモアを加えていました。

映画では、日本の産業や技術が奪われ、狩場のようになってしまった現実が描かれています。かつてパソコンもない時代から働いてきた私にとって「あの頃もっとこうしていたら(社会がこうだったら)あの会社やあの製品はまだ生き残っていたかもしれない」と思い出してしまう、そんな映画でした。皆さんはこの映画を観て、どのような感想をお持ちになるでしょうか。

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