こんにちは。「ゆるりら」です。

あけましておめでとうございます。皆さま、いかがお過ごしでしょうか?
振り返れば、2024年のお正月は波乱の幕開けでした。石川県での地震や航空機の炎上など、ゆっくりお酒を飲む雰囲気ではありませんでした。それを思うと、今年のお正月は穏やかでした。お天気も良く、私自身の身の回りも平穏無事に過ぎていました。

例年のことですが、おせち料理をつまみながら、テレビで箱根駅伝を観ていました。以前訪れた箱根の山道を思い出しながら、あの急坂を驚くべきスピードで走る選手たちを応援していました。

今年のレースはスタートから白熱していました。過去には1区で団子状態になり、互いに様子を伺う展開もありましたが、今年は中央大学の選手が一気に飛び出す展開となりました。往路の魅力は、まっさらな状態から繰り広げられる戦いを見られる点ですね。鶴見中継所で10位だった青山学院大学が、戸塚で3位、小田原で2位、そして往路の終点・芦ノ湖では堂々のトップに立ちました。昨年の大学駅伝で出雲、全日本を制した國學院大學は往路6位に。青学の選手層の厚さには驚かされました。特に5区の若林選手は区間新記録を樹立しました。

復路の結果は皆さまご存じの通り、一度も首位を譲ることなく、青山学院大学が独走で優勝を果たしました。胴上げの場面では原監督だけでなく奥様も宙を舞っていましたね。

その後、原監督の談話がネットなどで伝わってきました。「後任に譲らなければならない時期に来ている」とのこと。「組織として青山学院陸上部を成長させるため、上手に引き継ぎをしつつ強化を進める時期に差しかかっている」とお考えのようです。

実は5年以上前、ある経営者向けの会で原監督の講演会を拝聴する機会がありました。テレビで見る原監督は明るく朗らかで魅力的な方という印象ですが、講演では、その裏にある強さや厳しさが印象的でした。

箱根駅伝、ひいては陸上競技をサッカーや野球のように人気のあるスポーツにしたい。そのためにはメディアの力や資金が必要。地味な陸上競技が全国民をテレビに釘付けにできるのは、お正月の2日間という特別な時間だからこそ可能だというのです。学生たちが頑張る姿を発信し、自身も派手なパフォーマンスで注目を集めるのは、人気が高まればスポンサーが付き、資金が集まるから。そして、その目的は学生たちの将来のためだと話されていました。全員が陸上で生活できる社会ではないからこそ、青学の陸上部出身者、特に箱根を走った学生が大手企業に内定を得られるようになれば、保護者も安心できるとおっしゃっていました。

この話を聞いた当時、私自身の子どもはまだ大学に入る前でしたが、まるで自分のことのように共感しました。学生の将来を気遣い、陸上競技の発展を目指すその姿勢に深く感銘を受けました。「経営には水も漏らさぬ厳しさが必要」と語る監督の言葉には説得力がありました。大学に入ったばかりの若者たちを集め、生活指導、肉体改造、健康管理、自主的な努力を促す気風を養うことの大変さが伝わってきました。その厳しさの裏にある熱意を感じ、身の引き締まる講演会でした。

今回の駅伝大成功を受けて「後進に譲りたい」と表明されたのは、十分に考え抜かれた結果なのでしょう。奥様も晴れやかな表情をされていました。ご夫婦で寮の学生たちと寝食を共にしながら築き上げた青学陸上部の栄光。それでも、これからはお二人の時間や人生も大切にしながら、後進にその輝きを託していくおつもりなのだと感じました。メディアを通じて公表されたということは、後継者や体制も整いつつある証拠なのでしょう。このような大きな組織の事業継承には、多大な努力が必要だと思います。

同世代として、体力や知力に余裕のあるうちに次のステップへ進むという原監督の生き方に、私も強く共鳴しました。

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