こんにちは。「ゆるりら」です。

今朝は早朝からデッキを歩いてみました。7階のオープンデッキを3周回ると1.6㎞と聞いたので、まずは持参したスポーツウエアに着替え、デッキへ。初めての体験だったので、かなり緊張していましたが、出てみると意外にも寒い。潮風が吹きつけ、これは髪がやられると慌てました。
「使うことはないかもしれない」と思って持ってきた防雨兼用のジャンバーが、さっそく出番となり、髪にはスカーフを巻いて。まるで農作業に出かけるときのような格好です。

アップルウォッチで「屋外ウォーキング」をセットし、反時計回りに歩き始めました。後方へ向かうと、航跡が白く長く続き、雲間からは朝日が。まるで『印象・日の出』の絵のような光景。改めて、大自然の中を航海しているのだと実感しました。

船の前方には頑丈そうな鉄のネット越しに機械室がのぞき、きらびやかな船の心臓部を垣間見たような気持ちに。船員さん方の努力、そして造船の歴史を含め、この船を造り上げた英知に、しみじみと畏敬の念を覚えました。広い海の真ん中で、その機械の一端を見ることで、自分の命がこの船に守られていることを、あらためて強く感じたひとときでした。

寒いと思って厚着で出たのに、半袖で歩いている方もいて、服装の目安は人それぞれ。寒さには強いつもりでしたが、風にはめっぽう弱い自分を再認識しました。

「1キロメートル5分…」というアップルウォッチの音声に、「え?早い?」とびっくり。たぶん、動いている船上を歩いているせいで、GPSの計算に誤差が出たのでしょう。計算は難しすぎるのでここでは割愛します(笑)。

朝食の席では、海外旅行経験豊富なご夫婦と同席に。お二人ともお若そうなのに、退職されて何年も経っているとのこと。私が今回、エジプトのピラミッドを楽しみにしていると話すと、ご夫婦は「私たちは3回行きましたよ。正直、ピラミッドはがっかりします。行くならルクソールがいい」と教えてくださいました。私ががっかりしないよう、親切にアドバイスしてくださったのでしょう。
さらに、語学留学や長期海外滞在もたびたび経験され、普段はご主人がお料理担当、それも買い物から全てと聞いて、私は目を丸くしました。驚いている私に「掃除と洗濯は私がやります」と奥様が慌てて付け加えられ、なんとも優雅で素敵なご夫婦でした。

昼食は少し遅くなり、14階のビュッフェで好きなものを選んでいると、昨日お話しした先生にばったり。お声をかけ、同席することに。

話題は「ディベート」になり、教授から「議論はリスペクトできる相手とするように」と教えをいただき、その後「良かったら部屋に来ませんか?」と誘ってくださり、喜んで伺いました。

海の見えるお部屋でデッキチェアに座り、たくさんのお話を伺い、私もたくさん語りました。子育て、米の輸入・価格高騰問題、大学事情、南アフリカのダイヤモンド鉱脈を巡る戦争、アパルトヘイトの歴史、日本の信仰文化まで…どれも興味深く、まるで広い海のように尽きることのないお話でした。

今日は、空間認知能力ゼロの私にとって、外界と船との接点を体験し、自分が今どこにいるのか、外と行き来しながら感じた一日。
そして、人とのふれあいの中で、自分の世界の中だけでは出会えなかった方々との貴重なご縁をいただき、心がちょっと広がった感じの一日でした。

潮風と朝日と、出会いの航海” に対して1件のコメントがあります。

  1. パパ より:

    今日の話、めちゃくちゃ面白かった。

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